生産者

干物にも旬がある?

2020.12.08
 常滑漁業協同組合の組合長を務める久田さん。常滑で捕れる魚を使った手間暇かけた干物は「しげちゃんの干物」として、知る人ぞ知る名物となっている。それもそのはずで、特に固定の店舗などを持たず、イベント等で出会わないかぎり購入は難しい。しげちゃんの干物は冷凍保存によってある程度長い期間美味しく頂けるのだが、捕れる魚にはもちろん旬があり、うまい魚を干物にした方が当然美味しい干物となる。干物にできる魚の、かつ常滑で捕れる種類で旬と言えば、秋はアジ、夏(5月~8月)はメジロ(あなご)。とは言っても冬でも美味しい干物は食べたい人が多く、夏に捕れた脂ののった魚を保存して販売している。ちなみに、小さいながら味が濃厚で美味しい、干物の隠れたスターはゼンメだ。小さくて捌くのが大変だが、味が良く大人気とのこと。
 
― 人気の干物をつくる技
 
 漁師ならではの技と言えば、美味しい魚選び、かつそれを活き活きのまま捌いてつくること。開き方も工夫をしており、アジは腹開きではなく松葉開きにして食べやすく工夫し、キスは背開きがし難いがあえて背開きにしている。アジはその日のうちに捌いて真空にしなければならず、そうしないと油が黄色くなって味が落ちてしまうのだという。それもこれも、少しでも美味しく食べやすい干物をつくりたいという想いがあるから。
 商売としては15年程前から個人で売っているが、うまい物をつくるために、一つ一つ全て手で捌き、そして丁寧に味付けして天日干しをしている。量はあまりつくれないので、車の移動販売や地域の市場に少し持って行く程度しかできない。買う人が喜んでもらえればそれで良いというところなのだ。
 干物の味付け方法もこだわりがあり、干物は醤油か塩で味付けしているのだが、醤油はたまりとブレンドしたオリジナル。知多半島でつくられる素材を使用している。良い醤油を使えばそんなに塩辛くならないので、醤油は銘柄までこだわっている。素材がとびきり良い物の場合は、その味を最大限に活かすためにあえて塩味にすることもある。常滑の人は味醂をつかった味付けがあまり好き出ない人が多いし、自分がみりんを使うことで無添加と言えなくなってしまうのも好みではないとのことで、味醂の使用は極力避けている。
 
― 常滑漁業協同組合の魚
 
 久田組合長の常滑漁業協同組合では、かつては海苔の養殖が盛んだったが、セントレアがやってきてから海苔の養殖は途絶えたものの、もちろん漁は続けている。毎年5月頃からはじめ、7月頃から収穫量が増える。漁の方法としては角立て漁と呼ばれる漁法をとっており、本当に何でも捕ることができる。例えば今年は大きなブリが捕れたり、真鯛や黒鯛までも捕れてしまう。もちろん立派な魚は食べ応えもあって旨いが、常滑の知る人ぞ知る美味しい魚と言えば、キスやアジといった小物。小魚は食べるところも少なく、とにかく色々と手間が掛かってしまうところがあるが、小さな体に味が凝縮されている物が多く、だからこそ干物も小さな魚が人気なのだ。ぜひしげちゃんの干物を見つけたら、見た目の立派さばかりではなく、小さな魚に目をつけてみることも考えたい。

詳 細

しげちゃんの干物屋

住所 愛知県常滑市阿野町2-60
TEL 0569-34-3049
WEB http://www.toko.or.jp/shigechan/


ツアー詳細
    • 日時
    • 持ち物
    • 集合場所
    Copyright 2020 とこなめ農泊観光推進協議会

    ページ上へ