レポート
常滑の農家とレストランがコラボレーション
2020.12.08
常滑では様々な食材が出荷される生産地であるが、そんな中でも生産量ランキングに載る果物と言えば「いちじく」。愛知県が全国で1位の、その中でも常滑市の生産量はトップ3に入っている。現在常滑で生産されるいちじくの品種の多くは、桝井ドーフィンかサマーレッド。しかし、日本で育てられるいちじくの品種はそれだけではない。常滑のいちじく農家である酒井さんは、11種類ものいちじくを同じ畑で育てている。今回、そんな様々な種類のいちじくを育てる酒井さんと、地域の食材を活かしてそこでしか食べられない料理作りに日々取り組むレストラン「ルクーリュズ」の渡邊シェフが、常滑のいちじくの魅力をディープに伝えるイベントを開催した。
― 生産者と共に味わう
そろそろお昼時という頃、常滑の熊野という地区に集合したのは、イベント参加者と生産者の酒井さん。イベントが開催されるのは、フランス発祥の有名ガイドブックである『ミシュラン』や『ゴエミヨ』に掲載されている注目のレストラン「ルクーリュズ」だ。入り口の扉を引けば、カウンターの席が6席しかないコンパクトな店内が現れる。キッチンで出迎えてくれる渡邊シェフに招き入れられ席に着くと、なんだか和気藹々とした雰囲気の中、まずは酒井さんの紹介から始まります。
酒井さんから、渡邊さんに納めたいちじくの種類や、常滑の畑でいちじくを育てていることを紹介されると、食事を待ちながらゲストとの会話が自然とスタートします。知多半島産のフルーツでできたジュースを飲みながら会話を楽しんでいると、カウンター越しからまず一品目が登場した。今回は酒井さんが育てている11種類のいちじくの中から、ちょうど収穫することのできた8種類が渡邊シェフの手に渡ったとのことで、その8種類のいちじくを活かした特別なフルコースが提供された。
― 魅力は人から
コンパクトな店内では、ひとつの話題について全員で会話できるので、一体感が魅力となっていた。時間共に様々なバリアは溶けてゆき、普段はなかなか聞けないような生産者の苦労や悩み、そして魅力が伝わってくる。そしてそんな人物が大切に育てたいちじくを使い、渡邊シェフの遊び心と確かな技によって、様々なかたちに姿を変えてられた料理は、その場にいる全員を楽しませていた。料理はもちろん美味しいのだろうが、それ以上にそこに参加している人からうまれる会話や空気といったものが、このイベントに参加しなければ得がたい魅力となっていた。
― いちじくは大地からやってくる
消費者でいるといちじくはレストランが美味しくしていると勘違いしてしまいそうだが、いちじくが美味しくなるのは畑という大地でのことだ。そしてその世話をしているのは生産者でなのだ。今回のイベントでは、レストランでの食事を終えた後、実際に常滑でいちじくが育てられている現場を生産者の案内で見学することができた。先ほど皿の上に乗っていたいちじくのおいしさを体感した後だからこそ、あれがどんな場所で育てられていたのかと、より知る喜びに繋がっていた。多くの人の、様々な努力があって食は豊かになっていることを、改めて学ぶ機会となっていた。
詳 細
さかい農園
住所 愛知県常滑市坂井字西山神32-3
TEL ー
WEB https://www.sakainoen.com/
ツアー詳細
いちじくに様々な品種があるのはご存じですか?
常滑で多く育てられているのは「桝井ドーフィン」と「サマーレッド」ですが、さかい農園さんでは多種多様な種類のいちじくが育てられています。そんな中、今収穫できる8種類の貴重ないちじくを食べ比べられる、特別な機会のお知らせです。
イベント会場となるのは、常滑・知多半島の素材を活かしここでしか味わえない一皿を提供するレストラン「Le coeuryuzu(ル・クーリュズ)」。そんなレストランで腕を振るう渡邊シェフによって、酒井さんのいちじくをコース内の食事の一皿としても味わって頂けます。
さらに、当日は生産者であるさかい農園さんにもテーブルにご参加頂き、たった6席のカウンターの中で農家さんと食事を楽しみつつ会話が出来る、めったにない機会です。
「常滑の人」によって育てられた食材が「常滑の人」によって一皿一皿提供される、そんな常滑でしか味わえない特別な時間をぜひお楽しみください。
- 日時
- 9月27日(日)11:15~13:30頃
【限定5席のみ】
- 持ち物
- 持ち物は特にございませんが、食後にレストラン近くのいちじく畑(徒歩10分ほど)をご見学頂きます。歩きやすい格好でお越し下さい。
- 集合場所
- 「Le coeuryuzu」 常滑市熊野町3-143
参加費用:お一人様5,000円(税込)※ランチコースのお食事代含む